正社員と非正規雇用労働者の最も大きな違いは生涯賃金です。正社員の女性の生涯賃金は約1億8,000万に対して、非正規雇用労働者はその半分以下の、8,200万程度と言われています。これらの格差は、昇給や賞与、交通費などの各種手当によるもので、雇用期間が長いほど、両者の差は顕著になっていきます。しかし、必ずしも正社員の方が女性にとってお得かと言うと、そうでもありません。残業代が1分から5分単位で支給される派遣社員と違い、正社員は月給制、もしくは年俸制のため、「みなし残業」として残業させられる場合もありますし、飲み会や歓迎会などには強制的に参加させられる場合もあります。また女性にとって一大イベントである妊娠出産の機会に、産休を申し出たところ、会社から異動や降格を命じられるといった「マタハラ」が横行している企業も少なくないようです。一方、派遣社員として働くことには、面接や応募を担当者と一緒に行える、勤務時間や勤務地が選びやすい、未経験のお仕事や、憧れの業界にも入りやすい、といったメリットがあります。たとえば育児休暇を終え、さらなるスキルアップを目指す方は、資格や経験を武器に未経験業界に転職してみるのも一つの手です。最近では紹介予定派遣制度といって、非正規雇用から後に正社員になれるチャンスがある雇用形態もあります。しっかりキャリアを積んでから、満を持して正社員へ、ということも可能ですので、思い切って憧れの業界にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。